「グレイシー一族に恨まれ続けた」元PRIDE戦士のコロナ禍で前進するためのポジティブ対談 『すべてのことに意味がある』

タグ: , , , 2021/11/16

すべてのことに意味がある

大山) ここまでの話もそうですが、美憂さんって本当にいろんなこと乗り越えているじゃないですか?
17歳でレスリングの世界チャンピオンになって、オリンピックに3回も行けないという挫折を味わいながら、今も現役を続けているというね。

山本) これもよく言うことなんですが「すべてのことに意味がある」と思うんですよね。
オリンピックに行けていたら、そのままアマチュアで引退していたかもしれない。でもあの時行けなかったから、次の目標やいろんなシチュエーションが重なって今の自分があると思うので、すべてのことに意味があるんですよね。

大山) 前にこの言葉をインタビューで読んで、すごく共感しました。

山本) 私の場合失敗が多いから、そういうふうに考えないとと思うところもあるんですが(笑) 
だた、「すべてのことに意味がある」とわかるのがいつなのか、明日なのか、1週間後なのか、5年後なのか、10年後なのかわからないけれど、「あれがあったから今の自分があるんだ」と知っているから、何が「あっても絶対大丈夫」と思えるんですよね。

大山) そういうマインドになったのは誰かの影響があるんですか?

山本) それも母ですね。KIDもよく言ってました。
たしかあれは、シドニーかな。KIDがオリンピックの最終予選に出て、決勝で同点に追いつかれ、延長のサドンデスで負けたんです。その負けで吹っ切れたみたいで、KIDはすっぱりレスリングをやめてMMAに移りました。
そのKIDが
「あの時はオリンピックに行けなくてショックだったけど、あの負けがなかったら今俺はこのでっかい花道は歩いていないから」
って言ったんです。

これを聞いたとき「はっ、そうだ」と、「このほうがKIDらしい」と思ったんです。
オリンピックに出れば、多くの人を感動させることはできるけれど、KIDのスタイルで多くの人に希望とか勇気を与えることもできる。

まさに「すべてのことに意味がある」というか、このKIDのメンタルもすっごく勉強になります。

大山) なるほど。いやー、熱くなるなー!

山本) コロナもそうですね。
私はグアムに住んでいて、街がロックダウンになって、日本への渡航も難しくなり、試合もなくなった。
その時、「たぶんこれは自分がスキルアップする時期なんだな」と思えたんです。なぜかと言うと、それまでは試合が続いていて常に相手ばかりを見ていたんですね。その一点に常に集中していた状態とでもいうのかな。

でも、コロナで試合がなくなり、時間ができてみると、全体を広く見ることができて、すると自分に足りないものなんかも見えてきて、「自分には土台作りみたいな時間が足りなかったのかな?」と思えるようになったんです。「だから神様がこんな時間を与えてくれたのかな?」とさえ思いました。
そうすると、毎日がすごく楽しくなって、今日は苦手なこのトレーニングと向き合う、明日はボクシングみたいに、落ち着いてあせらず、習得の時間にあてられた。本当に貴重な時間になりましたね。

大山) まさに「すべてのことに意味がある」ですね。

山本) そうですね。この時間で上達していると思います。昨日の自分よりも今日の自分が成長するのがうれしいというか。あとは試合に出すだけ。次の試合(RIZIN.32 RENA戦 2021.11.20)が本当に楽しみです。

大山) このメンタルはすごいなー。僕はこのコロナ禍で考え方が二極化してしまったところがると思うんです。ネガティブになって思考が停止してしまう人と、美憂さんのようにチャンスととらえて動いていく人。本当にとらえ方ですよね。

山本) (コロナの)終わりが見えないからこそ、自分が成長してやれーってね(笑)

大山) すごいなー! その考え方。いい話が聞けました! ありがとうございます。最後に、コロナ禍で気分が落ち込んでいる人もいると思うので、みなさんに一言お願いします。

山本) そうですね。一人ひとり状況は違うと思うので、みんなさんの痛みをわかってあげることもできないかもしれませんが、私が言えることは、「昨日の自分よりも今日の自分が成長している」。そんなプラスが毎日、毎日積み重なっていくと、すごく自分が成長していけると思うので、今は成長する期間だと思って、みんなで頑張っていきましょう。





※健康、ダイエット、運動等の方法、メソッドに関しては、あくまでも取材対象者の個人的な意見、ノウハウで、必ず効果がある事を保証するものではありません。

[文:『ビジネスエリートがやっている ファイトネス』公式note]

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大山峻護(おおやま・しゅんご)

5歳で柔道を始め、全日本学生体重別選手権準優勝、世界学生選手権出場、全日本実業団個人選手権優勝という実績を持つ。2001年、プロの総合格闘家としてデビュー。同年、PRIDEに、2004年にはK-1・HERO‘Sにも参戦。2012年ロードFC初代ミドル級王座獲得。現在は、企業や学校を訪問し、トレーニング指導や講演活動を行なっている。著書に「科学的に証明された心が強くなる ストレッチ」(アスコム)。ビジネスマンのメンタルタフネスを高めていくための本「ビジネスエリートがやっているファイトネス~体と心を一気に整える方法~」(あさ出版)を出版。

大山峻護さんInstagram
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オンライン家庭教師 with アスリート
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ファイトネス
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「科学的に証明された 心が強くなる ストレッチ」
「ビジネスエリートがやっているファイトネス~体と心を一気に整える方法~」

山本美憂(やまもと・みゆう)

ミュンヘンオリンピックレスリング代表だった父・山本郁榮により小学生のころから弟の徳郁、妹の聖子とともに、レスリングの英才教育を施される。13歳で第1回全日本女子選手権に優勝。その後全日本4連覇を達成したが、世界選手権へは年齢制限により出場が認められなかった。1991年、17歳で初めて出場した世界選手権を史上最年少で優勝。その後、1994年と1995年に世界選手権を連覇。またその美貌で数多くのメディアにも取り上げられ、CM出演や写真集発売などアイドルアスリートのパイオニア的存在であった。1995年に惜しまれつつ現役引退。その後、長男・アーセンを出産。しかし1999年に現役復帰を発表し、クイーンズカップ決勝進出、アジア選手権大会優勝、全日本女子レスリング選手権優勝という結果を残すも、2000年再び現役引退を発表。2004年のアテネオリンピックで女子レスリングが初めて正式種目になることを機に復帰。アテネオリンピック出場を目指したが、2004年2月の「ジャパンクイーンズカップ」(アテネオリンピック代表選手選考試合)で3位に終わり、オリンピック出場は果たせず同年4月に引退。2006年12月に次男、2008年11月に長女をそれぞれ出産。カナダ・トロントに生活拠点を移し活動。2015年12月にカナダ国籍取得。カナダ代表としてリオ五輪出場を目指すも出場は叶わなかった。2016年9月、RIZINさいたまスーパーアリーナ大会にて対RENA戦でMMAデビューを果たす。

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