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金星に“あと一歩”届かず…ジャパンXVがMABに惜敗 新星SO伊藤が未来への光明に

タグ: , 2026/6/29

 しかし、後半の中盤以降は防戦一方に追い込まれた。試合序盤から奮戦を続けてきた、特にFWのプレーヤーたちの動きが鈍り、接点で押し込まれ、ディフェンスラインの綻びが目立つようになり、そこに的確に走り込まれるシーンが増えた。そして後半23分過ぎからは4トライ2ゴールを奪われ、31-38のスコアで試合終了。点数差的には接戦と言って良い結果だが、最後は現時点での実力差を見せつけられる形となった。

 フィットネスの差が最大の要因ではあるが、一度劣勢に傾いた流れを食い止める、あるいは一気に攻勢に変えられるようなプレーが見られなかったのも気がかりだ。例えば相手を仰向けにひっくり返すようなビッグタックルやスクラムで相手のボールを奪う「タイトヘッド」といったプレーが典型なのだが、MABはそうしたモメンタムを生じさせない展開に持っていく術に長けていた。この辺の勝負勘は、強敵との対戦を続けていく中で身につけていくしかない。

 今回の試合の光明は、代表レベルのチームには初の出場となった明治大学4年のSO伊藤龍之介の躍動だろう。2本のキックパスでトライを演出した他、自らのランで相手のディフェンスラインを切り裂き、チャンスを創出する場面を度々見せた。

 ただし、周りのプレーヤーが彼の奔放なプレーにフィットするにはまだ少し時間が必要なようだ。この試合終盤は、相手ディフェンスが伊藤に的を絞ってプレッシャーをかけてきたが、その狙いをそらしてラインブレイクを果たすようなシーンは残念ながら見られなかった。最後の最後でMABが奪ったトライは、ボールを持った伊藤にドンピシャのタックルを見舞われ、こぼれたボールを拾われて奪われたもの。来年のジャパンの切り札へと化ける可能性のある選手だけに、今後、日本代表での継続した修練を望みたいところだ。

 黒星発進となったサマーシリーズだが、次戦以降も格上国との対戦が続く。一つでも多くの白星を得て、来年のW杯に向けて弾みをつけたい。

[文:江良与一]

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