なぜダウンして明暗? 米老舗誌も注目した「ボクシングの差」 那須川天心が不服とした採点内容を分析「意図を持って前進し、攻撃の手数を増やすべきだった」
最後の最後までタフに戦い抜いた。しかし、那須川は勝利という最高の結果は得られなかった(C)Getty Images
「挑戦者を手数で上回ったのはイノウエだ」
この試合を「メインイベントでふさわしい内容」と評した米ボクシング老舗誌『The Ring』は、序盤の攻防を「2回にナスカワが王者を倒したように見えた場面について、ベテランレフェリーのマイケル・グリフィンはダウンを認めなかった。両雄が距離を詰める場面が多く、その都度、脚が絡み合っていた。こうした接近戦はイノウエにとって有利に働いた」と分析。那須川陣営の葛西裕一トレーナーからも「難しかった」と言葉が漏れた採点差が生じた原因を、さらに深掘りしている。
「足さばきが軽快で、動きでも上回ったイノウエは、ナスカワが相手の隙を待つ傾向を突きながら、ジャブを当てるとともに、相手のパンチを空振りさせた。これは、4ラウンドを終えてもナスカワがまだ自分の距離をつかめていなかったことを示す、最も明確な場面だった」
さらに「挑戦者を手数で上回ったのはイノウエだ。2発のコンビネーションを軽く繰り出し、距離をそれほど離さないまま、うまくタイミングを測って離れていった」と描写した同誌は、那須川のパフォーマンスに対して、こうも論じている。
「ナスカワはクリンチでのラフな攻防について何度も不満を示し、自分でレフェリーのように振る舞う場面もあった。ただ、彼はそれよりも意図を持って前進し、攻撃の手数を増やすべきだった」
ボクシングの沼にハマった“連敗”。判定に対する不服はあれど、「倒すだけがボクシングじゃないんだなっていう。ダメージだけがボクシングじゃねえんだなって」と漏らした那須川にとっては、悔しさと同時に学びのあった戦いだったのは間違いない。
[文/構成:ココカラネクスト編集部]
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