マーリンズスカウトも惚れた佐々木麟太郎の“素顔” 浜田省吾を愛する青年は、なぜMLBで評価されたのか?「リンタロウは本当に絶賛されていた」【現地発】
難しい道であることは覚悟の上。それでも佐々木はメジャーリーグに挑むのだ(C)Getty Images
マッカラー監督が語った初対面での会話
しかし、だ。佐々木に関して心強いのは、自分自身の立ち位置をしっかりと認識できていることだ。マーリンズ入団発表時の声明でも、「自分自身に力が足りていないのは、皆様以上に自分でも理解しております」と記していた。
これまでスター街道を走ってきた選手ながら、奢り、過信らしきものはまったく存在しない。自身を客観的にも見られる冷静さがある。これから壁にぶつかった時、難しい時期にさしかかった時、その聡明さ、性格の良さは大きな助けになるのではないかと思えてくるのだ。
「(佐々木の印象は)すごく良かったよ。とてもいい質問をしていた。うちの選手たちの練習を見ながら、打者のアプローチや、相手投手によってどう考えるべきかといったことを質問してきた。彼は本当に興味深い経歴の持ち主だ。日本からスタンフォードへ進み、そこでプレーし、ドラフト指名を受けた。球団として彼を迎えられて嬉しく思うし、将来的には我々が期待しているような長打力を発揮してくれると信じている」
佐々木と初対面した7月24日。マーリンズのクレイトン・マッカラー監督は感心したような表情でそう述べていた。未完成のスラッガーがこれから挑むのは世界最高峰のメジャーリーグ。夢の場所に辿り着くために、指揮官を感嘆させた謙虚さ、勉強熱心な姿勢は絶えず必要であり続けるに違いない。
人生の目的地について謳った浜田省吾の「家路」の中に、「どんなに遠くてもたどり着いてみせる」というフレーズがある。そのストレートな歌詞のように、たとえ険しくても、時間がかかっても、前に進んでいってほしい。真摯な姿勢を保ったまま、佐々木がメジャーという檜舞台に一歩ずつ近づいてくれると願いたいところだ。
[取材・文:杉浦大介]
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