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阪神の球団史上初の連覇はあるか? “ノーチャンス”だった勝利の方程式が揺らいだ前半戦総括 正念場の後半戦で指名したい「投打のキーマン」

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打線で「個」でフォーカスすれば脅威。一方で下位打線は火力不足な面も

 一方で打線はどうか。ここまで個人成績だけをフォーカスすれば、他球団との差は歴然。投手が高橋なら、野手は生え抜きの大砲コンビが前半戦のチームをけん引したと言って間違いない。

 4番の佐藤輝明は、開幕から長い不振もなく快音を連発。持ち味の長打も遺憾なく発揮してリーグ2位の21本塁打を放ち、打率は3割を優に超えるリーグ1位(.319)に位置している。そして、その佐藤を上回る本塁打を放っているのが3番を打つ森下翔太。前半戦の時点で昨季マークした自己最多23本塁打を上回る24本塁打を放っており、シーズン3割、40本塁打を狙える打者が2人いる中軸は脅威と言える。

 脇を固める面々も盤石だ。5番の大山悠輔は、すでに52打点を稼ぎ、勝負を避けられることもある佐藤の後を打つ者としてきっちり仕事をしてきた。4月26日の広島戦で受けた死球により左手首を骨折した近本光司の離脱こそあったが、高寺望夢の台頭もあって大きな穴とならず、中野拓夢も攻守で健在だ。

 ただ、下位打線が迫力不足なのは否めず代打陣も“切り札”になりえる存在が今年はいない。その意味で四国独立リーグの名門・高知から獲得したデルミス・ガルシアへの期待は高い。ここからスタメン起用もあるはずだが、勝負所で長打を望める助っ人の出番は増えてくるだろう。

 そして、もう1人。打線のキーマンに指名したいのが、ドラフト1位の立石正広だ。

 5月19日の中日戦で1軍デビューを果たし、同月22日からの敵地でのジャイアンツ戦では3連戦すべてに先発出場してプロ初打点、プロ初本塁打を放つなど14打数7安打、5打点と大暴れ。チームの同一カード3連勝に大きく貢献した和製大砲だったが、その後はプロの壁にぶち当たり、2軍落ちを経験した。

 今月18日に再昇格を果たした立石は、現在は左翼での先発が中心で、前川右京が右肩甲骨骨折から復帰すれば併用となりそうだが、同世代の2人が切磋琢磨してポジション争いをすれば自然とチームの底上げにも繋がるだけに、奮起を期待したい。

 個人を見れば、圧倒的な数字を残した主力が複数いる一方で、チームとしては快調に貯金を積み上げることができなかった印象も強い。巨人とほぼ横一線でスタートする後半戦。「個」の力で突き抜けるのか、それとも藤川監督が強調する「束になって戦う」スタイルを体現して差をつけていくのか。目が離せない連覇への挑戦だ。

[取材・文:遠藤礼]

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